いくら私が天才の誉れが高くても、あ、ごめんなさい、冒頭から嘘ついてしまった。それはさておき、素人の私が毎回提言できるほど、歌舞伎は大変なことになっているのだろうか。この基本的な問題を三日ほど布団の中で考えていたのだが、今まで私がつらつらと述べてきたことは、もしかすると「専門家」の人々はとっくに気付いているのではなかろうか…。となると、この連載は、中村氏の罠だったのだ。これに、連載早くも6回目で気づく辺り、私は自分が恐ろしい。...
2015年9月25日
いくら私が天才の誉れが高くても、あ、ごめんなさい、冒頭から嘘ついてしまった。それはさておき、素人の私が毎回提言できるほど、歌舞伎は大変なことになっているのだろうか。この基本的な問題を三日ほど布団の中で考えていたのだが、今まで私がつらつらと述べてきたことは、もしかすると「専門家」の人々はとっくに気付いているのではなかろうか…。となると、この連載は、中村氏の罠だったのだ。これに、連載早くも6回目で気づく辺り、私は自分が恐ろしい。...
私としたことが大変な失策を犯したようだ。前回の原稿を中村氏に読まれたらしく、「真面目に書かないんなら、辞めても結構です」と言われた。...
満腹になり、眠気も吹っ飛んだ私は、ようやく心静かに芝居見物ができる状態になった。家を出てから早くも4時間が経過している。芝居見物も容易なことではない。...
私に馴染みのない読者(馴染みのある読者がいたらお目にかかりたいものだ)のために言っておくと、私の取り柄は誠実で嘘を吐かないことだ、と言われる。...
前回、一回目を書いて、「適当な疑問を並べていれば、何とかやり過ごせる」ことに早くも気付いた私だが、コーナーのタイトルを観て愕然とした。...
長い付き合いのある演劇評論家の中村義裕氏から、「歌舞伎への提言」を書いてくれ、と藪から棒な電話があった。私は演劇とはあまり関係のない雑文書きで、芝居は好きだが、彼ほど偏執狂的、いや専門的に観る眼はない。...