歌舞伎座・四月大歌舞伎『四代目中村鴈治郎襲名披露』の見所紹介!

1月に大阪・松竹座で幕を開けた「四代目・中村鴈治郎襲名披露興行」が東京歌舞伎座へやってきます。

今月は、中村鴈治郎家(屋号:成駒屋)の当たり芸を選んだ『玩辞楼十二曲』(がんじろうじゅうにきょく)から三本の演目が上演されます。『碁盤太平記』(ごばんたいへいき)『吉田屋』『河庄』の三本です。

『碁盤太平記』で幕を開け、舞踊の大曲『六歌仙容彩』(ろっかせんすがたのいろどり)『廓文章(くるわぶんしょう)吉田屋』
夜の部は『梶原平三誉石切』(かじわらへいぞうほまれのいしきり)『成駒家歌舞伎賑』(なりこまやかぶきのにぎわい)『河庄』(かわしょう)舞踊の『石橋』(しゃっきょう)

出演メンバーも襲名披露にふさわしい豪華な顔ぶれで、坂田藤十郎、中村鴈治郎、中村扇雀(なかむら せんじゃく)の親子を中心に、片岡仁左衛門、松本幸四郎、尾上菊五郎、中村吉右衛門、中村梅玉(なかむら ばいぎょく)、中村魁春(なかむら かいしゅん)らのベテラン陣から、市川染五郎、片岡孝太郎らの花形までズラリと並びました。

今月はかのグルメ本にならって、初心者でも大丈夫なものは「★」、ある程度知識のある方は「★★」、見慣れた方は「★★★」で、それぞれの演目についてお知らせしましょう。


昼の部

『碁盤太平記』(ごばんたいへいき) ★★
 
めったに上演されない演目です。「日本のシェイクスピア」と言われる近松門左衛門の作品で、『仮名手本忠臣蔵』の周辺のストーリーを描いた「外伝」と呼ばれるもの一つ。今流に言うなら、「スピンオフ」でしょうか。

『六歌仙容彩』(ろっかせんすがたのいろどり)★★★

有名な歌人、僧正遍照、文屋康秀、在原業平、小野小町、喜撰法師、大伴黒主の六人を、義太夫、清元、長唄と伴奏を変えて踊る舞踊の大曲です。初心者にはちょっと難しいかも。

『吉田屋』

初期の歌舞伎の大きな幹であった「傾城買い狂言」という、若旦那と遊女の一幕。男女共に「上方の色気」をたっぷり見せる、明るく賑やかな舞台。


夜の部

『梶原平三誉石切』(かじわらへいぞうほまれのいしきり)

「時代物」のわかりやすい、荒唐無稽な部分がたっぷり含まれた作品。「刀」の切れ味を試すために、いろいろな仕掛けが施されています。

『成駒家芝居賑』(なりこまやかぶきのにぎわい)

襲名披露の「口上」の趣向の一つ。人気役者が顔を揃え、江戸時代の歌舞伎小屋の前で、世間話を交わした後、「口上」が行われます。上演時間は短いですが、豪華なひと皿。

『河庄』★★

これも近松門左衛門の作。心中物の一場面で、女房がありながら他の女性にうつつを抜かす主人公・治兵衛と登場人物の情のせめぎ合いを見せる一幕。

『石橋』(しゃっきょう)

獅子の精が力に満ちた勇壮な舞踊を見せますが、同じ獅子物の『連獅子』とはまた違った味わいがあります。


みなさんは、どの演目に興味をもたれましたか?
春の銀座へ歌舞伎を観に出かけてみましょう。


松竹創業120周年
四月大歌舞伎
平成27年4月2日(木)~26日(日)
3月12日(木)10:00よりチケット発売予定


出演: 坂田藤十郎/中村鴈治郎/中村扇雀/片岡仁左衛門/松本幸四郎/尾上菊五郎/中村吉右衛門/中村梅玉/中村魁春/市川染五郎/片岡孝太郎 ほか


演目
■昼の部
碁盤太平記(ごばんたいへいき)
六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)
廓文章(くるわぶんしょう)

■夜の部
梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
成駒家歌舞伎賑(なりこまやかぶきのにぎわい)
河庄(かわしょう)



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