黒塚 1月歌舞伎座 夜の部

年も改まったお正月の歌舞伎座は、初芝居とあって豪華メンバーでずらりと顔を揃え、 六本の作品が並んでいます。今月のお勧めは「ど・れ・に…」とチラシを眺め、ズバリ、市川猿之助が演じる『黒塚』と参りましょう。

この『黒塚』、猿之助のひいおじいさんに当たる二代目市川猿之助が、昭和14(1939)年に初演した作品なのです。タイトルの前に「猿翁十種の内」と書いてあり、この「猿翁」は晩年に二代目猿之助が名乗った名前で、その当たり役、という意味です。
伯父の先代も当たり役にしており、それを学んだ現・猿之助が、「家の芸」にどう挑むのでしょうか。

この作品、元は能の『安達原』に源流を発しているが、要は人を食べる恐ろしいお婆さん、つまり「鬼婆」の話。
たまたま通り掛かり、一夜の宿を、と願い出た偉いお坊さんに、自分の今までの悪業に満ちた人生も救われるのでは…、と秋の薄ケ原で月光を浴びながら喜ぶ老婆。しかし、家に帰ってみると…。

原典の能に、近代のリアリズムや発想を巧みに混ぜ込んで、それでいながら古典歌舞伎のような味わいを残している作品です。予備知識がなければ、「江戸時代の作品」と言われてもわからないかも? 

check-2014-01_finish


投稿日

カテゴリー:

, ,

投稿者:

タグ: