「梨園」ってよく聞くけど、梨園ってなに?

だんだん専門的な質問になって来ましたね! 確かに、週刊誌やスポーツ新聞、芸能ニュースなどでは歌舞伎界のことを「梨園」(りえん)と表現する機会が多いですね。

これは、元々中国から来た言葉で、玄宗皇帝の時代、と言いますから西暦700年代に、芸能者の教育を「梨」の木が植えられている場所で行った事から来ている、と言われています。

実際に梨の木がたくさん生えていたのでは、身体を動かす芸能の練習はできませんから、そうした環境の郊外で教えていた、ということでしょうね。

それが日本に輸入され、芸能の世界の中では歌舞伎だけにこの言葉が使われるようになりました。ということは、江戸時代、演劇が歌舞伎しかなかった時代から使われ始めたと考えて良さそうですね。

ミュージカルやストレート・プレイなど、明治期以降に日本へ入っていた演劇の世界では、「梨園」という言葉は使いませんし、何だかそぐわない気がします。江戸時代に既にあった芸能、能、狂言、人形浄瑠璃、落語でも使いませんね。

華やかな舞台が、「梨園」という漢字がもたらすイメージにぴったりしているのかもしれません。ただ、個人的には、呼び方よりも「内容」でどの位楽しませてくれるか、に尽きると思いますよ。


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