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歌舞伎町で歌舞伎やっていませんよね?どうして歌舞伎町って言うの?

2014年11月10日 

おぉ!30年以上歌舞伎の批評をしていますが、初めての質問です。ご指摘の通り、 新宿の一大歓楽街・歌舞伎町と「歌舞伎」はどこにも共通点がありませんね。なえ、新宿の東口一帯に「歌舞伎町」という名前が付いたのでしょうか?

実は、「歌舞伎町」という名前は、戦後の都市計画によって付けられた名前なのです。第二次世界大戦で焼け野原になった東京。あちこちで再開発や都市整備に基づく町づくりが行われる中で、あの一体に「歌舞伎が上演できる劇場」(歌舞伎座ではありません)という計画が盛り込まれ、分かりやすいように、とそのものズバリ「歌舞伎町」と名付けられました。

しかし、現在の場所に歌舞伎座が建てられ、今も劇場や映画館が多い有楽町から築地にかけて幾つもの劇場が再建されるにつれて、その計画は頓挫し、昭和31年に、松竹のライバル会社である阪急・東宝グループの創始者で、宝塚歌劇の生みの親でもあるプロデューサーの小林一三(こばやし・いちぞう)が「新宿コマ劇場」(開場当初は「新宿コマ・スタジアム」愛称:新コマ)を建設し、平成20年まで演劇やショーなどの興行が続けられました。

なぜ、わざわざ「新宿」と頭に付けたのでしょうか。大阪の梅田にも「梅田コマ劇場」(愛称:梅コマ)が建設されたからです。

新宿の歌舞伎の話題が出たついでに、ずいぶん昔の話になりますが、新宿で歌舞伎を上演していた劇場があったことをお話しましょう。JR新宿駅の南口を出て、目の前を走っている「甲州街道」を四谷方面にダラダラ坂を下って行くと、左側に「大塚家具」のビルがあります。大体の見当はつきますか? あの辺りに、「新歌舞伎座」と呼ばれた劇場が昭和の初期に建てられました。

現在、同じ名前の劇場が大阪にもありますが、これは別の劇場です。開場から5年後の昭和9年には「新宿第一劇場」と名前を変更し、当時の若手だった四世片岡我當(十三世・片岡仁左衛門。片岡仁左衛門のお父さんです)、三世坂東志うか(十四世・守田勘彌。坂東玉三郎のお父さんです)などが青年時代に「青年歌舞伎」として、今の若手が歌舞伎座以外の劇場でいろいろな芝居を修行するように、若手の歌舞伎役者の修行の場として歌舞伎を上演していたのです!

ただ、戦争が始まった頃から一時閉館になったり映画館に模様替えをしたりと興行形態の変遷を遂げ、戦後復活はしたものの、映画館としての使用が多くなり、昭和35年にはその名前と共に劇場は閉鎖されました。

歴史に「if」は禁物だ、と言いますが、歌舞伎町に「歌舞伎座」ができていたら、また名前は違っても歌舞伎を上演する劇場があったら、今の歌舞伎界、そして新宿の街並みはどうなっていたのでしょうね。私にも全く想像が付きません。「新宿で歌舞伎を観る」なんて、今の若い方々にはお洒落な趣味になるのかもしれませんね。


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